いま飲食店でサブスクリプションが広がってきているのは、短期では薄利でも、お得感でお客様を呼び込み、長い目で利益を稼ごうとしているからです。
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サブスクの広がり
サブスクとはサブスクリプションの略です。subscriptionを辞書で引いてみると、雑誌の年間購読、予約支払いなどと訳されます。
つまりサブスクは定額料金サービス。または期間限定の借り放題、使い放題サービスというわけです。
サービスそのものは目新しいものではないのに、最近、流行語大賞になりそうなほど話題になっているのは、音楽の聞きたい放題、映像見たい放題のサービスがきっかけです。
どんどんいろいろな業種へ広がり、扱う商品の種類が大変多くなってきたこと、自由に交換ができること、買わなくても借りたり定額のほうが安上がりであることに多くの消費者が気づいたこと、所有することにこだわらない人が増えた、などです。
安上がりという点では、なかなか景気が上向かない時代にマッチした、とも言えます。バブル景気時代では、サブスクの発想は出てこないでしょうね。
そして、私達がよく利用する、ある注目のサービスにサブスクの波が押し寄せています。それは飲食店です。
飲食店にひろがるか
なかでも注目されたのが、2019年3月からサブスクのサービスを始めた居酒屋チェーンの「金の蔵」です。
始まった当時はツイッターなどで、夢のようだだの、隣に引っ越ししたいだの、ご乱心だの、知能失ったか?だの、経営は大丈夫か、赤字だこれ、と心配されるぐらい話題になりました。
定額制といってもただの飲み放題ではありません。4000円で定期券を購入すれば、一ヶ月で毎日2時間飲み放題というものです。
一杯は、だいたい平均して500円ぐらいだとしたら、例えば月に5回来店し、一回来店に付き2杯飲んだとしても、すぐもとが取れてしまいます。かなりお得なサービスですね。
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社内コミュニケーションに変化も
こんな事例もあるそうです。お得なサービスなので、同じ会社の何人かが、週に何回も訪れるようになり、次第に違う部署の人たちが集まるコミュニティが出来上がったそうです。まさに部署の垣根を超えた交流です。
稲盛経営がサブスクで実現、なんて感じですね。京セラを大企業に育てた名経営者の稲盛和夫氏は、飲み会といいますか、食事での交流、懇親会を重要視しています。
しかも異なった部署間というのが大切です。家族主義型経営を重んじているその手法を、サブスクがバックアップしているという現象が生まれているのです。
「金の蔵」は、サブスクを導入する前に、売上が伸び悩んでいました。そこで集客の切り札としてこのサブスクサービスを導入したのです。
一回あたりの利益は薄いですが、何度も来てもらうことで長い目で見て利益向上を狙ったものです。その他FoobeやGUBIT。コーヒーが飲み放題のcoffee mafiaなどがあります。ラーメンのサブスク(ラーメン凪 田町店)もあります。
飲食業界で今後ますますサブスク現象の広がりを見せることでしょう。ハンバーグやパスタ、餃子、ピザ、スイーツのサブスクなんて出たりしても、おかしくないですね。
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